コンテンツへスキップ
未分類

OpenClawを使わずに、自分だけのAI自動化基盤を作った話

OpenClawが話題だ。SlackやTelegramから指示を出すだけでAIが勝手に動いてくれる——たしかにすごい。

でも自分は、あえて自前で組んだ。結果的に、そっちのほうが良かった。

作ったもの

「MLC」という個人用のシステムを、PythonとFastAPIで構築した。やっていることはシンプルで、Gmailに届くメールをAIで分類して、必要なものをTodoistのタスクに変換する。加えて、日本株のスイングトレードのスクリーニングも自動化している。

インターフェースはDiscord。毎朝、今日のスケジュールや注目タスクのサマリーが届き、夜には翌日のダイジェストが流れてくる。ときどき雑談もする。OpenClawが目指している「チャットアプリ越しのAIアシスタント」を、自分の欲しい形だけ切り出して実装した感覚に近い。

現時点で直近30日の処理済みメールは304通、自動作成されたTodoistタスクは138件。ワーカーは9つ中8つが稼働中で、月のAPIコストは$0.09。缶コーヒー1本より安い。

OpenClawではダメだったのか

ダメではない。ただ、合わなかった。

OpenClawは汎用的なAIエージェント基盤で、チャットアプリ経由でなんでもやらせるという思想だ。自由度は高いが、裏を返すと「自分のワークフローに特化した仕組み」を作ろうとすると、途端に回り道が増える。

たとえばメールの分類ひとつとっても、自分の場合は「この差出人のこのパターンはTodoistのこのプロジェクトに入れたい」みたいな細かいルールがある。OpenClawのスキルシステムでも実現はできるだろうが、結局プロンプトをこねくり回すより、コードで書いたほうが確実で速い。

自前で作って良かったこと

かゆいところに手が届く。 これに尽きる。

メールの分類ロジック、Todoistへの振り分けルール、トレードのスクリーニング条件——全部が自分の手の中にある。「この条件だとノイズが多いな」と思ったら、コードを直せば翌日から反映される。AIに自然言語で伝えて期待通りに動くか祈る、みたいなことをしなくていい。

ワーカーのスケジュールも完全にコントロールできる。email_to_todoistは15分間隔、todoist_syncは10分間隔、トレード系は1日1回の朝実行。それぞれの頻度を業務の実態に合わせて、過不足なく設定できる。

トレードのスクリーニングでは、MA・RSI・出来高・ADXを組み合わせた独自の条件でフィルタリングしている。40銘柄をスキャンして5候補に絞り、条件の充足度をスコアとして可視化する。こういうドメイン固有のロジックは、汎用エージェントに任せるより自分で書いたほうが圧倒的に信頼できる。

コストの話

月$0.09。これは地味にうれしい。

OpenClawはAPIコストとして月$10〜$70が目安と言われている。自前システムなら、必要なときに必要なだけAPIを叩く設計にできるので、コストが桁違いに抑えられる。入力60.6Kトークン、出力10.6Kトークン——無駄がない。

向き不向き

誤解のないように言うと、OpenClawは素晴らしいプロダクトだ。「とりあえずAIに色々やらせたい」「設定は最小限にしたい」という人にはぴったりだと思う。

一方で、自分のように「特定のワークフローを高い精度で自動化したい」「ロジックを完全に制御したい」「コストも最小限にしたい」という人には、自前で組むほうが結局は近道だった。

FastAPIでAPI作って、cronでワーカー回して、簡単なダッシュボードをつけるだけ。そこまで大げさなことはしていない。

何かを自動化したいとき、まず「既存のツールに乗るか、自分で作るか」を考えると思う。自分の結論は、ワークフローが固まっているなら、自分で作ったほうがいい。AIの力は借りつつ、ハンドルは自分で握る。そのほうが、長く安心して使える仕組みになる。